中国の大橋
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-万里の長城ほど長くはないが香港の新しい斜張橋の設計寿命は120年-
By Carroll McCormick
Nickel Magazine, July 2005 -- 香港のKwai Chungコンテナー港入り口の75 m上空にデッキがそびえ2本の主塔高さは290mに達する。2008年完成予定の長さ1,600メートルのStonecutters橋は中国のグローバルな貿易活動の重要な構成物になるであろう。
主塔上部へのアクセスやメンテナンス作業が困難なことから、Arup Hong Kongの設計陣に要求されたのはメンテナンスフリーで120年間使用可能なことであった。厳しい構造および表面仕上げ要求条件を満たすためArup Materials Consulting (London, England)は S32205 2相ステンレス(Ni 4.5 - 6.5%) 熱間圧延板で主塔上部120m部分を作ることとした。約2,000トンのS32205が使用される。
また、Arup社は橋の寿命に悪影響を与える塩化物による腐食を防ぐため、コンクリート橋脚および主塔のしぶきのかかる部分に S30400ステンレス鉄筋(Ni 8.0-10.5%含有)を指定した。直径50mmまでの鉄筋2,882㌧はCogna (Italy)が供給する。
Arup Hong Kongがエンジニアリング業務全体(交通、風、海に関することも含め土木、構造、機械、電気、地質)を取りまとめ、4年間にわたる建設工事を管理し、COWI Consulting Engineers およびBMT Asia Pacific Ltd.がARUPをサポートする。国際コンソーシアム 前田-日立-横河-Hsin Chong J/VがUS$350百万で建設請負契約を獲得した。S32205と溶接消耗品はOutokumpu (Sweden)が供給する。
曲げ加工した32205鋼板(大部分が20mm厚)を溶接しボルトで接合して外被を作る。鋼板を溶接して吊り上げるのに適当なサイズのセクションとする。各々のセクションの天井と底には厚さ25mm、幅130mmのフランジを取り付け隣接したセクションとボルトで接合する。
ボルトで接合して組み立てられたセクションを吊り上げ定位置にセットし、コンクリートを流し込む「缶」構造を作る。コンクリートを接合するため鋼鈑裏面に300㎜間隔で長さ300㎜、直径16㎜のスタッド約4万本を溶接する。荷重はコンクリートから外被およびフランジへ伝えられる。
設計陣は最適な外被材料を探したが、炭素鋼は必要な強度450 N/mm2は満たすものの要求されるゼロ・メンテナンスは達成できないと結論した。「オーステナイト・ステンレスは設計強度300 N/mm2で要求されている強度がない」とGraham Gedge (Arup社プロジェクトの材料専門家)は説明する。「厚みを持たせねばならず、重量が増え高価になってしまう。我々はS32205熱間圧延鋼板を使えば450N/mm2の強度を達成できることを知った」
もうひとつの理由として、標準的なオーステナイト・ステンレスより割安になることがあげられる。この汚染された海洋環境での長期にわたるパフォーマンスのためには表面を入念に管理し準備する必要がある。これらの材料に対する環境の耐久性評価は、C5M(ISO環境分類法の中で最も厳しい大気曝露)である。
S32205は設計陣が指定した仕上げを行うのに理想的であったとGedgeは説明する。S32205は候補に挙がった他の合金に比べ点食や油焼けに影響され難く、最終表面仕上げの選択に柔軟性がある。「ほこりや塩分をトラップするにしても、最終表面粗度の管理はそれほど重要でなくなる」
美観への配慮、加工が簡単であることからつや消し、指向性のない仕上げが選択された。「我々は香港の港に二本の巨大な鏡が出現することを望んでいない」とGedgeは言う。「溶接部分が多いため、加工した後に修復が可能な仕上げを選ぶことも重要だった」
Outokumpuが標準的な仕上げまで板を研磨する。出来上がったセクションは酸化アルミニウム研磨材でブラストし、てかりを和らげるためにガラスビーズで仕上げる。
設計段階で問題が生じないようにするため、Arup社はセクション外板のフルサイズ試作品を製作する契約をAncon Building Products (Sheffield, England)と結んだ。Branshaw Bending (Glasgow, Scotland)が鋼板のロール加工、Metal Improvement Company (Derby, England)が表面仕上げを行った。
試作品は2つ割とし、各々高さ1.75m、長さ7mの鋼板を曲げ加工、突合せ溶接し、実際の構造で使用するのと同一のボルト締めフランジで接合された。
鋼鈑は円錐形(外被がS32205となるところで塔径30m、頂上部では塔径27mのテーパー状)にロール加工された。溶接、フランジ、スタッド、ケーブル管路孔等の詳細部分が入念に加工された。
「試作品では溶接部分があまりに多いため歪を生じたのでフランジ接合を再考することにした」とGedgeは言う。「歪を大幅に減少するために溶接部を変更して小型のモデルを作った。最大の課題は最少の歪と最高の構造強度をいかに達成するかであった」
「試作をして得られたその他の点としては、要求されている仕上げが可能であること、溶接がけばけばしく見えないこと、また重量のある、熱間圧延鋼板に仕上げを行うことが可能であることを確認できたことである」
2相ステンレの主塔とステンレス鉄筋の組合せが120年の寿命を持つ橋という結果をもたらした。
Carroll McCormick is a Montreal-based freelance writer.
PHOTOS: Arup Materials Consulting
Graham Gedge |








