効率的な鋼の硬化方法
![]()
-高ニッケル合金使用で高温での自動車部品の硬化を可能に-
By Dr. Gerry Crawford
Nickel Magazine, July 2005 -- 高ニッケル合金 N06025が鋼製の自動車ギア、その他部品の浸炭に使用するバスケットや取付け具用材料として、 N08330にチャレンジする日が来るであろう
自動車ギアは耐摩耗性向上のためアセチレンのような炭化水素ガスで浸炭を行う。浸炭はカーボンが金属中に拡散し、約0.8~1.0%Cのオーステナイト表面層を形成する温度で行われる。焼入れすると高カーボン・オーステナイトはマルテンサイトとなりギア表面に硬化層を生成する。
自動車ギアの浸炭は従来から行われているが、ほとんどの場合、温度は約900℃である。しかし、浸炭時間の短縮、歪みによるロスを減少するため940-1040℃のより高温度で行う傾向になっており、それにより処理量、生産、収益を増やすことが可能となる。
「当分の間、N08330は浸炭プロセスでギアを保持するバスケットや取り付け具の主要材料として使われるであろう」とRolled Alloys Incの技術マーケットマネージャーJason Wilsonは話す。しかし、操業上の問題点の1つは、バスケット自身が時間とともに浸炭され変形し、ついには取り替えが必要になることである。
N06025(62% Ni, 25% Cr)はN08330(35% Ni, 19% Cr)よりも真空浸炭に対する抵抗力、高温強度が大きいなどパフォーマンスが優れている。
N08330のバスケットは900℃でも浸炭の問題があり、8ヶ月程度でクラックや歪みが生じる。一方、N06025はテストランを行っているが12ヶ月後の現在でも、歪みは生じていない。
しかし、現時点ではN06025のコストはN08330の5倍で、ライフサイクルコストを基準に比較するとN08330と競合するためには数倍の使用寿命がなければならないが、まだ実証試験中である。
ALD Thermal Treatment Inc( Blythewood, South Carolina)の操業担当役員Robert Petersは、「浸炭温度が900℃以上、940-1040℃範囲、恐らくさらに高温になっていくので、N06025がN08330を凌駕するようになる」と自信を持って語っている。
N06025はここ10年来、多くの高温での、また他の挑戦的な用途に広く使われるようになってきているが、浸炭用バスケット、取り付け具に対するテストはまだ進行中である。N06025は浸炭用バスケットや取付け具に適した棒形状やサイズが商業的な量でまだ利用されていないため高価であるが、その優れた高温特性が示され、産業界で認められれば、浸炭バスケット用のN06025の生産量は増加し、自動車ギア真空浸炭用ニッケル合金としてN08330合金に競合できる価格まで低下していくであろう。
Dr. Gerry Crawford is a Toronto-based consultant to the Nickel Institute.
PHOTOS: Rolled Alloys Inc.
Jason Wilson Robert Peters |



